2011.10.3 福島県庁署名提出レポート
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA高岸:
こんにちは。Moms & Children Rescue FUKUSHIMA発起人の高岸春幸です。
本日は貴重な時間をとって頂き、誠にありがとうございます。
私達は妊婦さんと乳幼児子どもの避難の申し入れに来ました。
178名の方から賛同人としての表明をいただき、
総計15, 647筆の署名が日本国内と海外から集まりました。
申し入れと同時に署名をお渡しします。
(署名、賛同人名簿、申入内容書面渡す)

右:福島県議会議長 佐藤憲保氏
左:Moms & Children Rescue FUKUSHIMA 高岸春幸
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA高岸:
本日、1万5千人の代表として福島県に署名提出に来させて頂きました。
1万5千人がこの部屋に駆けつけていると思って聞いて頂きたいと思います。
どうか宜しくお願いいたします。
私たちの要求項目を述べさせて頂きます。
現在、福島の多くの場所は放射能に対して感受性の強い乳幼児、妊婦さん、
子ども達が生活するには危険な環境です。
放射線管理区域(0.6μSv/h以上)、個別被ばく管理区域(2.3μSv/h以上)にあたる
放射線が計測された地域から福島県がイニシアチィブをとって自主的に乳幼児と妊婦、
子どもを早急に避難させて下さい。
現在、疎開させるという計画があるのかどうか、
その部分をYesかNoかでお答え頂ければと思います。

佐藤議長:
◎皆さんの心配は当然だと言う風に思っている。議会の議論の中でも、
国の対応が遅い、一番心配なのは子ども達の健康。
◎これからの子ども達の人生を含めた命をどうやって守っていくんだ、
どうやってつないでいくんだということが一番大事な事だと議会で議論になっているし、
六月議会で福島県として子どもを守る緊急プロジェクト事業ということで
打てる手は打ち始まった。
◎皆さんから見るとまだまだだという思いで今日の要請にもなっているという風に思う。
◎疎開と言われましたが、実は知事の方に私からも申し入れた経過がある。
福島県の子どもを国が守れないんだったら県が守ってやると何故言えないんだと、
申し入れをさせて頂いた経過がある。
◎当時、六月議会前で、国が20mSvという一定の基準を示してこれから対策します
という事になった瞬間に涙の辞任会見をした東大の小迫教授が
「こんなことでは責任取れない」ということで辞任会見で日本国中
「大変だ」というふうになった後、その時私が申し上げたのは、
「国が守れないのだったら、守れるのは県しか無い。
その為の対策はなんでもやる。やって頂きたい。」
こう知事に申し入れた。
◎その時に申し上げたのは「国が20mSvが基準だとか、20mSvでは不安だとか、
10だとか5だとか1でなくちゃなんないとか今議論になっているけど、
こういう議論に福島県は巻き込まれる必要はない。
福島県の基準は立った1つだ。
それは県民の不安解消に福島県が全力であたることだ。
福島の基準は県民の不安解消が基準だ。これでやっていただきたい」と、
こういう申し入れをさせて頂いた。
◎我々素人ですからこの状況の中で20mSvがいいとか、5mSvじゃなきゃならないとか、1mSvが安全だなんて科学的な根拠も知識もない。与えられた根拠で今県民が不安になっているのだったらそれは基準で無い。全ての基準は福島県民がかかえている不安を解消する事だ。そういう姿勢でやって頂きたいという申し入れをさせて頂いた。
◎その後、六月議会で、国の方の調整をしながら、子ども緊急プロジェクトという学校、
校庭、通学路、公園の除染をする、子ども達も夏休みに、一時的な疎開対策、
避難対策をするなど打てる手は福島県でもやり始めた。
◎今の時点で集団疎開とか、疎開しろって私に直接聞かれても・・・
◎気持ちは皆さんと県議会の議員の皆さんは同じ思い。ただ、1つ理解して頂きたいのは、
今回の震災対応で国が、震災直後にいろんな対策本部を作った。
震災全体の災害対策本部、それから原子力災害対策本部、そして国民生活支援対策本部、
いろんな災害対策本部を作った結果、この原発対応を含めて、
全ての権限、全ての判断、全ての財源は、今も総理大臣のもとにある。
◎そして、福島県でこうしたいという放射能対策を含めて、この権限は今、総理大臣にある。福島県でこうしたいという思いとか申し入れを国の方にするのに、
その判断、権限というのは全部今総理大臣が握っている。
◎国とのやりとり、調整が必要だから間接的にみると、県民から見ると、
福島県何にもやってないという批判になっているが制度上、仕組み上、今の現状が
そういう仕組みの中で動かざるをえないというのも一方であるとの理解をして頂きたい。
賛同者:植木宏(NPO「ハッピーアイランドネットワーク」)
菅首相の時にご判断をしなかったという事なんですね。福島県としては要請したけど。
佐藤議長:
◎そう。あの震災直後、もう10日を待たずに福島県そして、我々議会側からも、
まだ新幹線通っていない時期から、被災されている人命救助を含めて緊急対応してくれと
再三申し入れをくり返して来た。それで、なかなか国の判断が出て来なかったというのは、
そういう制度上の仕組みがあるというのをひとつ理解して頂きたい。
◎「緊急事態だから何でも出来るだろう。福島県が判断があれば何でも動くのではないか。」と、皆さん思っているが、今、対策本部が国にある以上は全ての権限、判断、財源含めて、
国の協議、了解を頂かないと勝手に動けない。
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA平野:
それは知事にも権限は無いのですか?
佐藤議長:
◎無いって事です。極端な話、こうしたいと言ったって、じゃあ、勝手にやったら?と、
もし国が言ったら福島県はある意味、対策費そのものも無い。
そういう仕組み的なものも一定の理解をして頂きたいというのがまず第一点。
◎子どもの健康、それから妊婦さんの健康、若い世代、子ども達が不安に思っているのは
あると当然の事であるし、その対策は何でもやっていくというのが県の姿勢。
皆さんから見ていると遅い、対応がまだ半端だという風にうつるかもしれないが、
姿勢としては、そういう姿勢で取り組んでいる。
◎もっとこういう対策をとれるはず、こういう状況で不安を抱えているのだから
なんとかして欲しい、結論として手を差し伸べる結果を出してくれという声は
どんどん寄せてきて頂くのは大変ありがたいことだし、
そう言う声にできるものは何でもやっていくという姿勢なので、
そこはご理解いただきたい。
賛同者:植木宏(NPO「ハッピーアイランドネットワーク」)
その声は直接どこにとどければ一番良いのでしょうか?署名なのですか?
佐藤議長:
◎それぞれの地域、市町村、県。
◎県議会というのは県民の代表として、県の行政をしっかりとチェックする役割が
最大の役割。皆さんの声はしっかりと知事の方に伝えるのも仕事ですので
しっかり伝えさせて頂きたい。
知事も県の皆さんもそういう思いであるという事はご理解頂きたい。
国の基準を踏襲してその基準だからそれ以外の所は排除し、出来ませんという姿勢ではない。福島県民の不安に対する対策は何でもやっていくっていう姿勢でいる。
◎ただ、何でも出来る背景っていうのは、それに全部国がお墨付き、了解を出さないと、
総理大臣の元に権限が集中している以上は動けないと言う仕組みも
背景にあるという事だけは、ご理解頂きたい。
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA平野:
先日、福山内閣官房副長官に署名提出した時に、福山さんは「20mSvまでは浴びせていいとは政府は言っていない」と言っている。
ということは誰も「20mSvまで浴びていい」っていう事を言っていないのでは?
それで、どのようにして子どもを守っていくのでしょう?
子どもは何mSvまでが大丈夫だと思われているのですか?
県としては。
佐藤議長:
今言ったように20mSvまではいいとか、20mSvまではしょうがないという姿勢は
どこにも無い。
賛同者(福島在住_四児の母):
でも、私たちは見えない線量計を子ども達に付けさせられている。
9月からつけさせているんですけれど、すごく嫌な気分になる。
佐藤議長:
あのガラスバッヂですか?
賛同者(福島在住_四児の母):
◎一ヶ月ごとにその線量計を変えて、もう明らかに実験台っていうふうにしか受け止められない。
◎そういうやり方で子ども達につけさせるのがすごく悔しい。
◎財政が大変だからというのも分かっているが、やる順番が間違っていると私は思っている。
◎やはり1回、子ども達を避難させて、それで除染するっていうのが
優先じゃないのかと単純に思う。何でそれがやってもらえないのか。
◎他の県が一生懸命、「出て来な。出て来な。」って声をすごく感じているが、
そういう声が私はいろんな人のつてで知っているが知らない人の方が多い。
もう仕方がないから動けないという感覚で、仕方がなくて残っている人が今いっぱいいるという現状。
◎その声が県民に全然届いていないし、福島県や政府にも、諦めていて届けられない。
皆、声を発する事が出来ない状況で、それがすごく悔しい。
◎私は飯野町だから飯館の人もいっぱい来ているが、そういう人たちは
1回避難しているから身動きとりたくないという状況もある。
私たちも分かっているから今更、危ないから逃げろと言いたくもなくなっている。
◎せめて子どもだけはという思いが強い。すごく大変なのは承知の上で、
1回子ども達を避難させて欲しい。それはたぶん、皆同じだと思う。
佐藤議長:
集団疎開させて、一定の期間の状況、安全だと確認されるまでそういう対策をとるべきだろうということですね?
賛同者(福島在住_四児の母):
◎そうです。県外の人たちがそれをすごく一生懸命取り組んでくださって、
福島県でなんでやらないのかというのがすごい悔しい。
◎これだけ一生懸命皆さんが頑張っているのに、それをまずやらないと、
「ああ、福島県すごいな。」と言う風にはならないと思う。
「なにやっているんだろう」というのが強い。
◎私もいろんな県外の人たちの声が、すごい敏感に感じ取ってきているから、
福島県の人たちの感覚を変えなかったらまずいと、私の中では強く思っている。
やり方、順番が違うのではないかと思う。

佐藤議長:
◎子どもの健康や、今の不安を全然汲み取らないとか、受け止めていないという事ではなく、直接お聞きしたり、国との折衝でいろいろとやりとりをしたが、学者の先生の見解も様々。
◎20mSvだったら大丈夫だという先生がいる一方、1mSvでもおかしいという先生がいる。
◎例えば、小学校一年生が今の状況で生活し続けた時に本当に発がん性とか、
健康に問題が出るという、明らかな基準というのは、どこに設定して良いか分からないというのは、今の国の判断だと思う。
◎楽観的と言うと失礼になるが、この程度だったら大丈夫だという先生の声を中心にすると、一方で1mSvでもおかしいんのではないかというと、県民世論も、日本全体の世論も、
今まで実証例がないとか経験例がないというだけで、安全だなんておかしいというふうに皆さんの考えがどうしても心配だから言っているということで・・・
◎どこまで安全なんだというのが無いから私は、「国は判断を示さない。無責任だ。」
と繰り返し言っている。
◎物理学者がいうと「この程度は大丈夫だ」お医者さんが言うと「これは危ない」と
見解が様々だというのも、判断を国の方で示さず、その基準になるものがないから、
なかなか思うように出て来ないというのが、この半年の経過だったのではないかと思う。
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA平野:
私たちの署名の文面にもあるように、0.6μSv/時以上と言うのは放射線管理区域で、
きちんと管理されたところで、妊婦さんは入れないはず。
それを超えている場所で子どもを生活させているというのは、
先ほど仰った事を全部理解した上でも、絶対に矛盾している間違った事だと思う。
それに対してどう回答されますか?
佐藤議長:
◎その辺りはあいまいになって申し訳ないが、私は議長として議会人として県の方に申し入れしているのは、国の基準に左右される事は無い。
県民の不安解消が福島県の唯一の基準なんだから、それに答える手は何でも打てということで申し上げている。
◎1mSvがいいとか20mSvではダメなんだと国も判断していない以上、
私たち自身は判断できない。
子ども達の健康対策は何でもやれ。
若い妊婦さん含めて、まだ独身の皆さんについても不安を持っている以上は、
福島に住みたくない、居続けたくないって思う事が福島の復興の妨げになるのであれば、
その対策をまずは打ってから次に進むべき。
この様な申し入れは再三、国の申し入れも含めてやらせて頂いている。
(ここで時間となり、高岸が代表として最後の言葉を述べる)
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA高岸:
集まった署名の一万五千人の思いというのは、とにかく子どもの未来を守って下さい。
子どもの命を守って下さい。子どもの未来、子どもの命を守れるのは、大人しかいない。
福島の子どもを守れるのは、福島の大人しかいない。
子どもの未来を、全力で守って下さい。
これが一万五千人以上の署名で頂いたみんなの声です。
日本全国、世界各地から同じ思いで届いています。
ぜひ、コメントに目を通して頂いて、日本全国、世界各地の
「福島の子どもを守って欲しい。」というメッセージを受け止めて頂きたいと思います。
どうか宜しくお願いいたします。
佐藤議長:
◎皆さんの思い、しっかり受け止めて、出来る対策はなんでもやっていくということで、これからもやっていきますので、ぜひご理解頂きたい。
◎決して福島県とか国が子ども達を見放しているとか、何にもやってくれないって言う事は無いんだと言うことだけご理解頂きたいし、福島の復興は200万県民、みんな同じ思いを共有して初めて復興がスタートするので、ぜひ福島県民の復興再生に皆さんの若い力をお貸し頂きたいと思う。
福島県知事 佐藤雄平様宛に署名提出後の記者会見 2011年10月3日(月)福島県自治会
Moms & Children Rescue FUKUSHIMA(発起人:高岸春幸、平野大輔)
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『福島県庁署名提出、及び申し入れ』の報告会見。福島県に住む、
放射能の感受性の高い妊婦さんと乳幼児、子どもを一刻も早く避難させる為の署名を
福島県知事 佐藤雄平様宛に提出。
福島県議会議長 佐藤憲保氏、副議長 瓜生信一郎氏と要求面談。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『福島県庁署名提出、及び申し入れ』を2011年10月03日(月)午後2:30に行い、
その報告の記者会見を同日午後3:30から福島県自治会館3Fにて行った。
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いさか (木曜日, 06 10月 2011 21:51)
ご苦労様でした。こうした取り組みが少しずつ実を結んで行くと思います。ありがとう。
北岡美佐 (木曜日, 03 11月 2011 19:55)
高岸さんが立ち上がっていただいたお陰で、1万5千もの署名、みんなの気持ちが佐藤議長、県、国に伝わっていっていると思います。ありがとうございます。私は、今、ニュージーランドのクライストチャーチに住んでいます。妹は、ダニーデンに住んでおり、ダニーデンの日本人の方々と署名活動の声を上げております。2月にダニーデンで行われるイベントでも、今の日本の現状を伝え、日本人だけではなく、ニュージーランドの方々にも署名、募金をいただけるよう、今、ダニーデン在住の日本人の方々と計画を立てているところです。私も、クライストチャーチ在住の日本人の方々から署名をいただけるよう、実行に移しているところです。日本から、遠く離れたニュージーランドからでも、何か出来ることがある、福島の方々を守りたい、母国の日本を守りたいと言う気持ちでいっぱいです。このような、輪を広げて行けたらと思っております。
Javier Bushong (木曜日, 02 2月 2017 01:37)
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